2007年8月5日日曜日

はじめまして

先日引っ越しをしまして、早一月くらい経つのですが。
引っ越しの一番の理由は本が増えすぎたため、広い部屋に引っ越したい!というもの。
おかげで、それなりに気に入った物件が見つかり、本棚を増やすことができてうはうはな日々。昔の本を引っ張り出して読み直しています。
その中で、今でも読んですごい!と感動したのがこのマンガ。

今、オリジナル版の初版を貸していて(あまりにも面白かったため、知人に無理矢理勧めてみた)手元にないのですが、確か、ジェッツコミックスとして大きい判型で出たのって、私が高校生の頃だったような気がするのよ。
池袋のリブロで買った記憶があるもの。
それから早10年以上近く経つのだけれど、このマンガ、ほんっと色あせない。
(初刷りが出たのは15年前ですか?)

何がいいのか、っていえばやっぱり一番はキャラクターなんだろうと思う。
内容そのものは、ソ連とアメリカが最終兵器のボタンを押した後、地球は荒廃した…というところから始まるわけだから、古い時代のSFと言うべきなんだろうけれど、それをさっぴいて、やっぱりキャラが魅力的。
キャラクターたちがそれぞれ心にコンプレックスを抱えて、そしてそれを解消するために「OZ」の都を目指す。
古典の名作「オズの魔法使い」をべーすにしながらも作者独自の「OZ」の世界を明確に描ききっているとともに、おおすぎもせず、少なすぎもしない適量のエピソードで完結させているすごさ。

そもそも、私はマンガにしろ小説にしろ、「きちんと完結している」作品こそすごい、という持論を持っていたりするのだけれど、それがちゃんとでき ているところがすごい。まぁ、リアルで読んでいた頃は本当に終わるのだろうか…って危ぶんだこともあったけれど(笑)。確か、当時って「花咲ける青少年」 も同時進行で連載していたような覚えがある…。
今からしてみれば、どちらもちゃんと完結しているんだからすごいよなー。
ちなみに、「花咲け」も好きですが、やっぱり「OZ」の方が完成度は高いと思うなぁ。
私的には、ムトーとフィリシアのハッピーエンドを予測させるラストが好きなんですが、男性の友人に言わせると、男読者にとってはハッピーエンドよ りもアンハッピーエンドの方が切なくて好ましい、とのこと。男性はセンチメンタル&ロマンチストだから、とは彼の弁ですが、そうなのか?(意見求む)

友人たちと話していたんですが、私が尊敬するセンパイ曰く、
「樹なつみはキャラクターの見せ方がうまい。かっこいい、ということを登場人物を通して書くから、わかりやすいんだろうな」といっていました。
なるほどねぇ…。

しかし、少女マンガなのに、この良質なSFぶり。
ここしばらくSFから遠ざかっていたので、ちょっとまた良質なSF作品を読みたいなーという気になっています。
そしてそれから。
この世界がキャラクターたちが、ただひとりの作家の頭の中で創造され、構築され、世に出て、完結しているという事実が何よりすごいとひたすら思いました。

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